行動経済学で「勉強のハードル」を消し去る3つの習慣術

合格メソッド・キャリア

はじめに:根性論は、難関試験の敵である

「仕事が忙しくて、勉強時間が確保できない」
「机に向かうまでの、あのズーンと重い腰が上がらない」
「結局、スマホを見て1日が終わってしまう……」

そんな悩みを抱えていませんか?

こんにちは、当ブログ管理人の「まめもやし」です。 情報処理安全確保支援士(合格者)の視点から断言しますが、働きながら難関国家資格を突破するために最も不要なもの、それは「気合」と「根性」です。

私は現在、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)として、数々のプロジェクトが円滑に進むよう「仕組み」を作る仕事をしています。その知見を自身の学習に応用した結果、一度の不合格を乗り越え、高度試験である支援士試験にも合格することができました

高度試験の膨大な学習範囲を前にしたとき、私たちの脳のメモリ(リソース)は、勉強内容を理解するためだけに全振りされるべきです。「勉強を始めるかどうか」という意思決定にメモリを割くのは、プロジェクトで言えば「会議の場所をどこにするか」で1時間を浪費するようなもの。

本記事では、行動経済学の知見を使い、やる気に頼らず「勝手に体が動く」状態を作る3つの習慣術を解説します。

「if-Thenプランニング」で迷いを消し去る

行動経済学や心理学の世界で、最も強力な習慣化スキルの一つとされるのが「If-Thenプランニング」です。

なぜ、私たちは「後でやろう」と思ってしまうのか

人間は「何をしようかな?」と考えた瞬間に、脳のエネルギーを消費します。仕事終わりの疲れ切った脳にとって、この「次に行う動作を決める」というプロセスは非常に負荷が高く、結果として「楽な方(スマホやSNS)」へと逃げてしまうのです。

仕組み:条件と行動をセットで予約する

If-Thenプランニングは、非常にシンプルです。「もし(If)Aが起きたら、その時(Then)Bをする」と、あらかじめ脳にプログラミングしておく手法です。

状況(If)実行する行動(Then)狙い
通勤電車のドアが閉まったらスマホで過去問道場を1問解く隙間時間の強制利用
PCのシャットダウンボタンを押したらカバンから参考書を一冊出す帰宅後の「第一歩」を予約
お風呂から上がったら支援士の記述問題を1問だけ読む記憶の定着率が高いゴールデンタイム活用

まめもやし流の活用術

PMOの仕事でも、リスクが発生した際の「エスカレーションルール」を事前に決めておきます。それと同じです。私の場合は、「電車に乗ったら、iPadで過去問を解く」というIf-Thenを徹底していました。これにより、通勤の1時間が自動的に「インプットの時間」に変わりました。

「20秒ルール」で脳のフリクションをゼロにする

ハーバード大学のショーン・エイカー氏が提唱した「20秒ルール」は、習慣にしたい行動に取り掛かるまでの時間を「20秒」短縮するだけで、実行率が劇的に上がるという法則です。

「面倒くさい」は距離に比例する

情報セキュリティの世界では、ログインの二要素認証が「面倒」であればあるほど、ユーザーはシャドーIT(許可されていないツール)に流れます。勉強も同じです。

  • 参考書が本棚にある
  • PCを立ち上げるのに1分かかる
  • 筆箱を探す必要がある

これら数秒の「フリクション(摩擦)」が、あなたのやる気を削ぎ落としています。

具体的な仕組み作り:デフォルト設定を「勉強」にする

支援士試験の勉強中、私は自分の部屋を以下のように「システム改修」しました。

  • PCのタブは閉じない: 寝る前に、ブラウザのタブに「過去問道場」と「公式解説サイト」を開いたままにしておきます。翌日、PCを開いた瞬間に勉強がスタートします。
  • 「出しっぱなし」を正義とする: 参考書は閉じません。今日やるべきページを見開き状態で、デスクの上に「重石」を置いて固定しておきます。
  • スマホの「デトックス」: 逆に、勉強を妨げるもの(スマホ)は別室に置くか、手に取るまでに「20秒以上かかる場所」へ隠します。

「やる気が起きたら準備する」のではなく、「準備が完了しているから、やらざるを得ない」環境を構築してください。

「努力の見える化」で報酬系をハックする

行動経済学には「現在バイアス」という概念があります。私たちは「1年後の合格」という大きな報酬よりも、「今、この瞬間のYouTube」という小さな報酬を優先してしまう生き物です。

脳に「即時のご褒美」を与える

遠い未来の合格を待つのではなく、今日の勉強に対して「報酬」を与える仕組みを作ります。それが「努力の見える化(可視化)」です。

可視化の3つのステップ

  1. デジタルデータで記録: 「過去問道場」のマイページなどで、解いた問題数や段位が上がっていく様子を毎日確認します。PMOが進捗グラフ(バーンダウンチャート)を見て安心するのと同様、右肩上がりの数値は脳に快感を与えます。
  2. アナログの積み上げ: 解き終えた過去問のコピーや、使い切ったボールペンの芯を捨てずに保管します。「これだけやった(Labor)」という物理的なボリュームは、試験直前の不安を打ち消す最強の武器になります。
  3. カレンダーへの「×印」: カレンダーに、勉強した日を赤ペンで「×」と書き込みます。このバツ印の列が途切れることに不快感(損失回避性)を覚えるようになれば、習慣化は成功です。

PMO×支援士の視点:なぜ「仕組み」がキャリアを作るのか

プロジェクトマネジメントの本質は、不確実な未来を「予測可能な状態」にコントロールすることです。個人のキャリアも全く同じだと私は考えています。

「今日は残業で疲れたから休もう」という判断を自分に許してしまうのは、プロジェクトで言えば「気分で納期を遅らせる」のと同じくらい危険なことです。しかし、自分を責める必要はありません。責めるべきは、あなたの意志ではなく「仕組みの不備」です。

情報処理安全確保支援士の試験は、100メートル走ではなくフルマラソンです。それも、猛烈な向かい風(仕事や家庭の忙しさ)の中で走り続けなければなりません。だからこそ、「最小限のエネルギーで、最大限の距離を稼ぐ」戦略が必要なのです。

おわりに:Passへの研鑽が、あなただけのRoadを作る

「合格(Pass)への研鑽(Labor)が道(Road)を作る」

これが当ブログ『LaboRoad』に込めた想いです。 今日ご紹介した3つの習慣術は、どれも今日、今この瞬間から始められるものばかりです。

  • If-Thenプランニングで、迷いを消す。
  • 20秒ルールで、障壁を消す。
  • 見える化で、停滞を消す。

あなたが仕組みを構築し、一歩一歩着実に歩みを進めることで、その先に待つ「合格」という景色は必ず現実のものとなります。

まずは、明日(あるいは今夜)の最初の「If-Then」を決めることから始めてみませんか?

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