はじめに:申し込みは「プロジェクト」のキックオフ
IPA(情報処理推進機構)の春期試験の足音が聞こえてきました。例年、1月の中旬から下旬にかけて申し込みが開始されます。
「申し込みが始まってから考えよう」では遅すぎます。PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の視点で言えば、プロジェクトは開始前の準備(Pre-project)で勝負が決まるからです。
本記事では、申し込み開始と同時に最高のスタートダッシュを切り、合格を確実にするための「心理学的な仕掛け」について解説します。
驚愕のデータ:4人に1人は当日、会場に現れない
ここで、受験を検討している皆さんに知っておいてほしい厳しい数字があります。
IPAの統計データ(受験率)を見ると、応用情報技術者試験や情報処理安全確保支援士試験において、申し込みをしたものの当日欠席する人の割合は、例年25%〜30%にものぼります。
つまり、「申し込んだだけで満足し、当日までに戦意喪失してしまう人」が4人に1人以上いるのが現実です。
高い受験料を支払い、未来への投資をしたはずが、当日にはその場にすら立てない。この「脱落者」の側にならないために必要なのは、根性ではありません。申し込みという「イベント」をどう利用するかの戦略です。
仕掛け①:現在バイアスをハックし、その場で「計画」を固定する
申し込みを済ませると、多くの人が「今日は大きな一歩を踏み出した」と満足し、学習計画の立案を「明日から」に先延ばしします。これには、将来の利益よりも目先の楽を優先してしまう「現在バイアス」という心理が働いています。
しかし、受験料を支払った直後だけは別です。将来の自分に対する期待値が一時的に高まっており、現在バイアスを乗り越えられる「ボーナスタイム」に入っています。
この瞬間にスケジュールを確定させることは、未来の自分がサボれないように予約を入れる「コミットメント・デバイス(強制装置)」として機能します。ブラウザの完了画面を閉じる前に、カレンダーを埋めてしまいましょう。
具体的なスケジュールの立て方や、私が実践した効率的なロードマップについては、以下の記事で詳細にまとめています。この「ボーナスタイム」を逃さず、今すぐ手順を確認してください。
仕掛け②:パブリック・コミットメントで「退路」を断つ
申し込みを終えたら、次にやるべきはSNSや職場での「受験宣言」です。これには、行動経済学で裏付けられた強力なメリットがあります。
- パブリック・コミットメント(公言効果) 人間には「自分の言動を一致させたい」という強い心理(一貫性の原理)があります。周囲に宣言することで、サボりたくなった時に「あんなに大口を叩いたのに」という心理的ブレーキが働き、継続の強制力が生まれます。
- 損失回避の心理 決して安くない受験料を支払い、さらにそれを公言することで、自分の中に「投資したコスト(お金とプライド)を無駄にしたくない」という心理が働きます。
意志の強さに頼るのではなく、「勉強せざるを得ない環境」を仕組みで作る。これが大人の試験対策の鉄則です。
まとめ:申し込み日は、合格への「最初のアクション」
申し込み開始を待っている今の時間は、いわば助走期間です。
- 申し込み開始と同時にエントリーする(会場確保とリスク管理)
- 直後にスケジュールを固定する(現在バイアスをハックする)
- 周囲に公言する(パブリック・コミットメントを活用する)
この3つをセットで行う準備をしておくだけで、あなたはすでに上位75%の「戦う集団」に入ることができます。
「合格(Pass)への研鑽(Labor)が道(Road)を作る」。 開始の号砲が鳴る前に、最高の準備を整えましょう。




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