秘書検定2級・席次の正解。会議室や応接室で迷わない「上座」の鉄則

ビジネス・キャリア系資格

はじめに:席次は「敬意の可視化」である

ビジネスシーンにおいて、誰がどこに座るかという「席次(上座・下座)」は、相手に対する敬意を物理的な位置で示す重要なプロトコルです。秘書検定2級では、図の中に番号を振るような形式でよく出題されます。

席次には明確なルールがあり、その根底には「入り口から遠いほど安全で落ち着ける場所(=上座)」という歴史的な背景があります。このロジックを理解すれば、初めて入る部屋でも瞬時に上座を見極めることができるようになります。

基本原則:迷ったら「入り口からの距離」

屋内の席次における絶対的なルールは、「入り口から最も遠い席が上座(1番目)」であり、「入り口に最も近い席が下座(末席)」であることです。

なぜ入り口に近い方が「下座」なのか?

入り口付近は人の出入りが激しく、落ち着きません。また、かつては外敵の侵入に備えて身分の低い者が入り口近くに控えていたという名残もあります。そのため、最も静かで奥まった場所をお客様や目上の人に提供するのがマナーの基本です。

応接室(長椅子・一人掛け椅子)の序列

応接室で「長椅子(ソファ)」と「一人掛けの椅子」が混在している場合、椅子の形状による格付けが発生します。

  1. 第1位(最上座): 入り口から最も遠い「長椅子」の奥
  2. 第2位: 長椅子の入り口に近い方
  3. 第3位: 長椅子の向かい側にある「一人掛け椅子」の奥
  4. 第4位(下座): 一人掛け椅子の入り口に近い方

ハックのポイント: 「3人掛けの長椅子」がある場合、真ん中が3番目になり、一人掛け椅子が4番目、5番目と続くこともあります。ポイントは「椅子そのものの格(長椅子 > 一人掛け)」「奥 > 手前」の組み合わせです。

会議室(議長席がある場合)の序列

会議室では「誰が中心か」によってルールが変わります。

  • 議長(進行役)がいる場合: 議長席に最も近い席が上座になります。議長の右側が第2位、左側が第3位というように、「議長に近い順に、右・左・右・左」と交互に序列が決まります(これを「左上右下(さじょううげ)」の原則と呼び、自分から見て左側、つまり相手の右側が上位になります)。
  • 議長がいない(対面式)の場合: 基本通り「入り口から最も遠い奥の列」が来客側の上座となり、入り口に近い列が自社側となります。

和室と「床の間」のルール

和室の場合、入り口からの距離よりも優先されるのが「床の間(とこのま)」です。

  • 第1位: 床の間のすぐ前(入り口から最も遠い席)
  • 第2位: 第1位の隣、または向かい側の奥

和室では、床の間という神聖な空間を背にする席が最高の敬意を表す場所となります。試験で「和室」の図が出たら、まずは床の間の位置を探しましょう。

特殊なケース:景色や暖炉

「入り口から遠い」というルールが覆される例外が2つあります。

  • 景色の良い部屋: 入り口に近くても、美しい庭園や夜景が見える側を「お客様(上座)」に座っていただくのが優先されることがあります。
  • 暖炉がある部屋: 暖炉に最も近い席が、冬場などは最上座になることがあります。

試験での判断: 問題文に「窓から素晴らしい景色が見える」といった条件がわざわざ書かれている場合は、その景色を正面に見られる席、あるいは景色側に近い席を上座として選ぶのが「臨機応変な秘書」の回答です。

まとめ:席次は「心地よさ」の提供

第6回のポイントを整理します。

  1. 大原則は「入り口から最も遠い席が1番」。
  2. 椅子の格は「長椅子 > 一人掛け」。
  3. 和室では「床の前」が最優先。
  4. 景色などの条件があれば、柔軟に上座を移動させる。

席次は、相手を敬い、最も快適な場所で過ごしていただくための思いやりを形にしたものです。このロジックさえあれば、複雑な番号振りの問題もパズルのように解けるはずです。


次回、第7回は「席次②:乗り物編」です。タクシー、列車、自家用車。狭い車内での「誰がどこに座るか」という難問を、明快なルールで解説します。

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