秘書検定2級・弔事マナーの急所。不祝儀袋の書き方と「忌み言葉」の攻略

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はじめに:弔事は「悲しみに寄り添う」マナー

ビジネスパーソンとして、弔事の知らせは突然やってきます。慶事(お祝い)と違い、やり直しがきかず、無作法が相手の心を深く傷つけてしまう可能性があるのが弔事マナーの恐ろしさです。

秘書検定2級では、不祝儀袋(香典袋)の選び方や、弔電・悔やみ状での言葉選びが頻出します。今回は「失礼のない対応」を最短ルートで身につけるためのロジックを解説します。

不祝儀袋の選び方と「結び切り」の理由

お悔やみで使う水引(みずひき)は、必ず「結び切り(むすびきり)」を選びます。

  • 覚え方のコツ: 結び切りは、一度結んだら解けない結び方です。不幸が二度と繰り返されないようにという願いが込められています。対照的な「蝶結び」は何度も結び直せるため、お祝い事に使います。
  • ハックのポイント: 試験で「黒白の蝶結び」という選択肢が出たら、その瞬間に除外してください。弔事で蝶結びは「あってはならない組み合わせ」です。

表書きの書き方:宗教による違い

不祝儀袋の表書きは、相手の宗教によって変わります。試験で最も狙われるのは「御霊前(ごれいぜん)」の汎用性と例外です。

  • 御霊前(ごれいぜん): ほとんどの宗教(仏教、神道、キリスト教)で使えます。
  • 御仏前(ごぶつぜん): 仏教の四十九日を過ぎた法要などで使います。
  • 御香料(ごこうりょう): 仏教で使われる、より丁寧な表現です。

ハックのポイント: 宗教がわからない場合は御霊前と書くのが無難ですが、唯一の例外は「浄土真宗」です。浄土真宗では「亡くなるとすぐに仏になる」という教えがあるため、お通夜から「御仏前」を使うのが正解となります。

弔電や挨拶で避けるべき「忌み言葉(いみことば)」

お悔やみの場では、不吉な連想をさせる言葉や、重なりを意味する言葉を避けるのがルールです。

  • 重ね言葉: 「たびたび」「重ね重ね」「いよいよ」「ますます」 → 不幸が重なることを連想させるため。
  • 直接的な表現: 「死亡」「死去」 → 「ご逝去(せいきょ)」「お亡くなりになった」と言い換えます。
  • 不吉な数字: 「四(死)」「九(苦)」

覚え方のコツ: 同じ言葉を2回繰り返すのはNGとシンプルに覚えましょう。「いよいよ」は普段ポジティブに使いますが、弔事では「不幸が続く」という意味に取られてしまうため、厳禁です。

香典の渡し方と袱紗(ふくさ)の扱い

香典は、剥き出しで持ち歩くのはマナー違反です。必ず「袱紗」に包みます。

  • 色: 弔事では、紫、紺、グレーなどの寒色系を使います。(※紫は慶弔両用できる万能色です)
  • 包み方: 左開きになるように包みます。
  • 渡し方: 受付で「この度はご愁傷様でございます」と述べ、相手から見て文字が正しく読める向き(反時計回りに180度回転させる)にして両手で差し出します。

まとめ:静かな敬意を形にする

第10回のポイントを整理します。

  • 水引は「二度と繰り返さない」の願いを込めて「結び切り」。
  • 表書きに迷ったら「御霊前」。ただし浄土真宗のみ注意。
  • 「たびたび」などの重ね言葉は、不幸の連鎖をイメージさせるため厳禁(ハック:2回繰り返しはNG)。
  • 袱紗は寒色系。紫を持っておけば試験でも実務でも無敵。

弔事マナーの核心は、遺族の悲しみに余計な刺激を与えない「静かな配慮」です。ルールの裏にある理由を知ることで、突然の場面でも落ち着いて振る舞えるようになります。


次回、第11回は「冠婚葬祭②:慶事・贈答編」です。結婚、出産、お中元・お歳暮。明るいニュースを彩るための、華やかで正しいルールを解説します。

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