ブラウザでWebサイトを閲覧する際、私たちは無意識に「URL」を入力したりリンクをクリックしたりしています。しかし、その裏側では「ドメイン」が名前を解決し、「IPアドレス」が実際のサーバーの場所を特定するという、緻密な連携が行われています。
ネットワークの基本でありながら、実務でのDNS設定やサーバー移転、あるいは情報処理技術者試験(FE/AP)の基礎知識として欠かせないこれら3つの要素について、その関係性を詳しく紐解いていきましょう。
三者の関係性は「住所」に例えると分かりやすい
インターネット上の通信を現実の「手紙の送付」に例えると、それぞれの役割が明確になります。
- IPアドレス: 土地の 「緯度・経度」(コンピュータが識別するための数字の羅列)
- ドメイン: 実際の 「住所(〇〇市△△町…)」(人間が覚えやすい名前)
- URL: 住所に宛名を加えた 「フルネーム(〇〇市△△町の、××さん宛て)」(情報の具体的な場所)
IPアドレス:ネットワーク上の識別番号
IPアドレス(Internet Protocol Address)は、ネットワークに接続された各機器に割り当てられる一意の番号です。
- IPv4:
192.168.0.1のように、8ビットずつ4つに区切った32ビットの数値。約43億個の制限があり、現在は枯渇が問題となっています。 - IPv6: IPv4の枯渇対策として登場した128ビットの次世代規格。
実務においては、サーバーの接続先を指定したり、ファイアウォールで特定の通信を許可・遮断したりする際に、この「数字の住所」を直接扱うことになります。
ドメイン:人間が理解できる「名前」
数字だけのIPアドレスを人間が覚えるのは困難です。そこで、IPアドレスと紐付けて管理される人間向けの名称がドメイン(Domain)です。
- 構成例:
example.co.jpjp:トップレベルドメイン(国や組織の種類を示す)co:セカンドレベルドメイン(企業の種別など)example:組織名など
DNS(Domain Name System)の役割
ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みを DNS と呼びます。ブラウザにドメインを入力すると、裏側でDNSサーバーに「この住所の緯度経度(IP)を教えて」と問い合わせが行われます。これを「名前解決」と呼び、実務上、設定ミスでサイトが表示されない原因の多くはここにあります。
URL:情報の所在を示すフルパス
URL(Uniform Resource Locator)は、ドメインを含み、そのサーバー内の「どのフォルダの、どのファイルか」までを特定するための記法です。
- 構成:
https://www.example.co.jp/blog/index.htmlhttps://:プロトコル(通信のルール)www:ホスト名(サーバーの名前)example.co.jp:ドメイン名/blog/index.html:パス(ファイルの場所)
試験(FE/AP)で問われる重要ポイント
情報処理技術者試験では、より技術的な仕様が問われます。
グローバルIPとプライベートIP
- グローバルIPアドレス: インターネット上で重複しない公的な住所。
- プライベートIPアドレス: 社内LANや家庭内など、特定の組織内でのみ使用される住所。
- この両者を変換する技術 NAT/NAPT は、試験の超頻出項目です。
FQDN(Fully Qualified Domain Name)
ホスト名とドメイン名をすべて省略せずに記述したものを「完全修飾ドメイン名(FQDN)」と呼びます。 例:www.example.co.jp(www がホスト名、example.co.jp がドメイン名)
実務での注意点:ドメイン変更とリダイレクト
システム運用においてドメインを変更する場合、古いURLにアクセスしたユーザーを新しいURLへ自動的に転送する「リダイレクト」の設定が必要になります。
この際、ドメイン(住所)だけを変えるのか、URLの構造(パス)まで変えるのかによって、SEO評価の引き継ぎやユーザーの利便性が大きく変わります。エンジニアは「IPアドレスが変わってもドメインが変わらなければ、ユーザーは影響を受けない」という特性を活かし、サーバーのメンテナンスや移転を計画します。
まとめ
URL、ドメイン、IPアドレスは、それぞれが独立しているのではなく、階層的に連携することでインターネットの利便性を支えています。
- IPアドレスが物理的な位置を示す。
- ドメインがそれを人間に分かりやすく翻訳する。
- URLが具体的なファイルまでを指し示す。
この構造を理解しておくことは、ネットワークのトラブル解決や、セキュアなシステム構築の第一歩となります。


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