応用情報合格の慢心を捨て、支援士にリベンジ合格した話。一度落ちて分かった「専門性の壁」

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はじめに:AP合格という「成功体験」が毒になる時

「応用情報(AP)に合格できたんだから、次の支援士(SC)もこの勢いでいけるはずだ」 かつての私は、そんな根拠のない自信に満ち溢れていました。APという難関を突破した直後の万能感は、時として冷静な判断力を狂わせます。

しかし、結果は非情でした。支援士試験の一度目の挑戦は、見事なまでの不合格。 この挫折を通じて私が学んだのは、APとSCの間にあるのは単なる「知識の量の差」ではなく、「求められる思考の質の差」であるということでした。本記事では、私が一度落ちてからどのように戦略を立て直し、リベンジを果たしたのか、その全記録を共有します。

なぜAP合格者でも支援士に落ちるのか(失敗の分析)

一度目の不合格の最大の要因は、行動経済学で言うところの「過信バイアス」にありました。自分の能力やこれまでの学習メソッドを、客観的な難易度よりも高く見積もってしまったのです。

APの学習を通じて、セキュリティの用語は一通り頭に入っていました。「公開鍵暗号」「SQLインジェクション」「クロスサイトスクリプティング」。これらの単語を知っているから、支援士の午後問題も読めばわかるだろうと考えていました。

しかし、支援士の試験会場で突きつけられたのは、用語を知っているだけでは一歩も進めないという現実でした。

  • APの視点: 攻撃の名称や仕組みを選択肢から選ぶ、あるいは短文で説明する。
  • SCの視点: ネットワーク構成図やログ、業務フローを読み解き、どこに脆弱性の根本原因があるかを「実務レベル」で特定する。

私はAPの「広く浅い」成功体験をそのままSCに持ち込み、専門資格が求める「深さ」に到達できていなかったのです。

不合格のどん底から、どうやって「損失回避」を力に変えたか

不合格が決まった直後は、APの時と同じように、やはり深い虚無感に襲われました。「午前I免除」という特権があるうちに合格しなければならないというプレッシャーが、逆に重荷に感じたこともあります。

ここで私を支えたのは、行動経済学の「損失回避」の心理でした。「今ここで支援士を諦めてしまったら、あの苦労して手に入れたAPの合格価値すら、ただの思い出になってしまう。午前I免除という最大の資産をドブに捨てることになる」という強い危機感です。

「合格という利益」を追うよりも、「免除期間という資産を失う痛み」を避けるために、私はもう一度机に向かう決意をしました。

二度目の挑戦:学習の「解像度」を徹底的に上げた

二度目の挑戦にあたり、私は学習のやり方を根本から変えました。単なる過去問演習から、「なぜ?」を繰り返す深掘り学習へのシフトです。

  • 「わかっている」の基準を変える 以前は解説を読んで「なるほど」と思えば終わりにしていました。しかしリベンジ期は、「なぜこの対策では不十分なのか?」「なぜこのキーワードが解答に必須なのか?」を、IPAの「採点講評」まで読み込み、出題者の意図(システム2)を徹底的にトレースしました。
  • ネットワークの「再発明」 SCの午後はネットワーク知識が生命線です。AP時代に曖昧にしていた通信プロトコルの挙動を、パケット単位でイメージできるまで復習しました。土台が盤石になったことで、午後問題の長文が「ただのパズル」に見えるまで解像度が上がりました。
  • 記述の「作法」の最適化 「知っていることを書く」のではなく、「問題文にある根拠を、指定された文字数で、採点者がマルをつけやすい形に整える」という、記述のフレーミングを意識しました。

まとめ:不合格は「本物の専門家」になるためのプロセス

今振り返れば、一度の不合格は私にとって必要な儀式でした。もし一度目で運良く受かっていたら、私はセキュリティを「舐めた」まま、中途半端な知識で満足していたでしょう。

一度落ち、自分の無知を突きつけられたからこそ、私はセキュリティという分野の奥深さに真摯に向き合うことができました。その挫折の期間こそが、私を「試験に受かる人」から「実務で通用する考え方を持つ人」へと変えてくれたのです。

AP合格という輝かしい看板を背負いながら落ちるのは、確かに格好悪いかもしれません。しかし、その格好悪さを引き受けて立ち上がった先にしか、本物の専門性は存在しません。

もし今、あなたが支援士の壁に跳ね返されているのなら。それはあなたが「より深い領域」へ進むための準備期間にすぎません。午前I免除という武器が生きているうちに、もう一度だけ、解像度を上げた挑戦を始めてみませんか。


具体的などんな教材を使い、どんなスケジュールでリベンジを果たしたのか。その詳細な学習ステップについては、こちらの記事にまとめています。

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