秘書検定2級・来客接遇の基本。受付からお茶出しまで「失礼のない」動作の正解

ビジネス・キャリア系資格

はじめに:来客接遇は「会社の顔」としての振る舞い

電話応対が「声のインターフェース」なら、来客接遇は「視覚的なインターフェース」です。お客様が会社に足を踏み入れた瞬間から、秘書(または受付担当者)の立ち居振る舞いすべてが「会社の印象」として刻まれます。

試験では、単に丁寧であることだけでなく、「相手を敬う気持ちをどう形(動作)にするか」という具体性が問われます。今回は、受付からお茶出しまでの「黄金のステップ」を解説します。

受付:最初の10秒で信頼を勝ち取る

お客様を最初にお迎えする場面です。ここでは「明るく、丁寧で、迅速な」対応が求められます。

① 挨拶と名刺の受け取り

  • 挨拶: 「いらっしゃいませ。お待ちいたしておりました」と笑顔で迎え、会釈をします。
  • 名刺の扱い: 名刺を差し出されたら、必ず両手で受け取ります。「頂戴いたします」と一言添え、その場で名前と社名を確認します。

② 状況の確認

  • アポイントメントの有無: 「〇〇(上司)とお約束でいらっしゃいますね」と確認します。もし上司が前の会議で長引いている場合は、「あいにく前の用件が少々長引いておりまして、5分ほどお待ちいただけますでしょうか」と正確な時間を伝え、了承を得るのが2級の鉄則です。

誘導:迷わせない、不安にさせない

応接室までの案内は、ただ前を歩けばいいわけではありません。

  • 位置関係: お客様の「左斜め前」を、2〜3歩先行して歩きます。
  • 配慮の言葉: 曲がり角では「こちらでございます」、段差がある場合は「足元にご注意くださいませ」と声をかけます。
  • 扉の開閉:
    • 外開きの場合: ドアを開けてお客様を先に通します。
    • 内開きの場合: 自分が先に入ってドアを押さえ、お客様を迎え入れます。

お茶出し:合理的な「おもてなし」のルール

お茶出しは、試験の記述問題や状況判断で非常によく狙われるポイントです。

① 準備の基本

  • 茶碗と茶托(ちゃたく)は別々にトレイ(お盆)に乗せて運びます。茶碗を茶托に乗せたまま運ぶと、こぼれた際に見栄えが悪くなるためです。

② 出す順番:上座からが絶対

  • 必ず「お客様の上座」の方から順に出します。自分の会社の上司は最後です。
  • もしお客様が複数いる場合は、お客様の中の役職が高い順に出します。

③ 置き方のルール

  • 位置: お客様の「右側」から出すのが基本です。
  • 向き: 茶碗に柄がある場合は、柄がお客様の正面に来るように置きます。
  • 一言: 「失礼いたします」と軽く会釈をしてから置きます。

ハックのポイント: もし机の上が資料でいっぱいの場合は、無理に右側に置こうとせず、「失礼いたします、こちらに失礼いたします」と断って、空いているスペースに置くのが「臨機応変な秘書」の正解です。

辞去:見送りまでが接遇

お客様が帰る際も、気を抜いてはいけません。

  • 見送りの場所: 「エレベーターホール」または「玄関」まで見送るのが一般的です。
  • 最後の挨拶: エレベーターのドアが閉まるまで、またはお客様の姿が見えなくなるまで、深く一礼(最敬礼)を保ちます。

まとめ:動作にはすべて「理由」がある

第4回のポイントを整理します。

  • 受付では、正確な状況説明(待ち時間の提示)を行う。
  • 誘導は「左斜め前」を歩き、曲がり角などで声をかける。
  • お茶出しは「お客様の上座」から。右側から出すのが基本。
  • お辞儀は、お客様が見えなくなるまで心を込めて行う。

来客接遇のルールは、すべて「お客様に不自由な思いをさせない」という配慮から生まれています。その理由をセットで理解すれば、暗記に頼らなくても自然な動作ができるようになります。


次回、第5回は「来客接遇:応用編」です。階段やエレベーターでの複雑な誘導ルール、さらには「予期せぬ来客」への対応術など、より高度なスキルを解説します。

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