秘書検定2級・時候の挨拶12ヶ月。暗記を捨てる「体感」の覚え方ハック

ビジネス・キャリア系資格

はじめに:時候の挨拶は「マナーの情緒」

ビジネス文書の形式を整えたら、次に必要になるのが「時候の挨拶」です。これは、本題に入る前に「季節の移り変わりを共有し、相手の繁栄を喜ぶ」という、日本特有の奥ゆかしいマナーです。

秘書検定2級では、その月や季節にふさわしい言葉を選べるかが問われます。12ヶ月分すべてを丸暗記しようとすると大変ですが、「季節のキーワード」を軸にした連想ゲームとして捉えれば、驚くほど簡単に使いこなせるようになります。

覚え方のコツ:季節の「旬」をイメージする

時候の挨拶は、大きく分けて「初・仲・晩」の3つの時期で選ぶ言葉が変わりますが、2級試験では「その月の代表的なイメージ」を一つ持っておけば十分です。

  • 1月: 新年、初春(新年のお祝い)
  • 4月: 陽春、桜花(春本番の温かさ)
  • 8月: 晩夏、残暑(夏が終わりに向かう頃)
  • 10月: 秋涼、紅葉(秋が深まる頃)

このように、カレンダーを見た時に真っ先に思い浮かぶ「景色」と言葉をリンクさせるのが、最も忘れにくい覚え方のコツです。

試験を乗り切る「12ヶ月の鉄板フレーズ」対応表

試験でよく狙われる、書きやすく汎用性の高い表現をまとめました。

時候の挨拶(漢語調)キーワード・イメージ
1月初春(しょしゅん)の候新年、事始め
2月余寒(よかん)の候立春を過ぎても寒い
3月早春(そうしゅん)の候春の気配、芽吹き
4月陽春(ようしゅん)の候暖かな春の日差し
5月新緑(しんりょく)の候若葉がまぶしい季節
6月初夏(しょか)の候梅雨入り、夏のはじまり
7月盛暑(せいしょ)の候夏本番、暑さの盛り
8月残暑(ざんしょ)の候暦の上では秋、まだ暑い
9月初秋(しょしゅう)の候秋風、夜長
10月清秋(せいしゅう)の候秋晴れ、空が清々しい
11月晩秋(ばんしゅう)の候秋の終わり、紅葉
12月師走(しわす)の候年末の忙しさ、寒冷

ハックのポイント:迷ったら「〇〇の候」で逃げ切る

时候の挨拶には「〜のみぎり」や口語調の「〜の季節となりました」など多くのバリエーションがありますが、試験対策としては「〇〇の候(こう)」という漢語調の形を一つだけ完璧にしておきましょう。

ハックのポイント: 記述問題で月ごとの言葉を思い出す際、「候」を後ろにつけるだけで、すべての月で最もフォーマルな正解になります。バリエーションを増やしてスペルミス(漢字ミス)をするリスクを負うより、この一点突破で確実に加点を狙うのが合格へのハックです。

時候の後に続く「安否の挨拶」の定型句

時候の挨拶を置いたら、間髪入れずに相手の状況を気遣う言葉を繋げます。これもセットで覚えてしまいましょう。

  • 社外(企業)宛: 「貴社におかれましては、ますますご清栄(せいえい)のこととお慶び申し上げます」
  • 個人宛: 「〇〇様におかれましては、ますますご清祥(せいしょう)のこととお慶び申し上げます」

覚え方のコツ: 「清栄」は企業(繁栄)、「清祥」は個人(健康)という使い分けがありますが、もし忘れてしまったら「ご健勝(けんしょう)」(個人の健康)という万能な言葉へ逃げるのも手です。

まとめ:情緒を「型」として使いこなす

第9回のポイントを整理します。

  • 月ごとの景色をイメージし、キーワードと結びつける(覚え方のコツ)。
  • 試験では「〇〇の候」の形で統一してミスを防ぐ(ハックのポイント)。
  • 時候の挨拶の後は「ますますご清栄のことと…」という定型句へ繋ぐ。

時候の挨拶をマスターすれば、あなたのビジネス文書は「単なる業務連絡」から「心を通わせる手紙」へと昇華します。まずは自分の誕生月や、今月の挨拶から使ってみることで、知識を自分のものにしていきましょう。


次回、第10回からは、社会人として最も緊張する場面である「冠婚葬祭編」に入ります。まずは突然の知らせに慌てないための「弔事(お悔やみ)」の作法から解説します。

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